汚なくはないが、どう見ても整然とは言い難い瑛子の部屋。
だが、そのいい加減さが勇介にはちょうどいい。
ベッドで上半身を起こし、枕を背もたれに天井を仰ぐと、頭の芯がズキンと疼いた。
「二日酔い?」
「ああ…」
つい深酒してしまうようになったのは、美里が突然訪ねてきたあの日からだ。
とは言え、最初のうちは彼女に取った態度を後悔しているわけでもなかった。
一人の女に執着することのない勇介にとって、代わりの女なら掃いて捨てるほどいる。
自分がその気になって堕ちなかった女など一人もいない。
そんな歪んだ女性経験が彼にぞんざいでクールな態度を取らせ続けてきた。