しかし、次の瞬間、茂みをかき分けて現れたのは、美里が今一番会いたい人物だった。



「亜弓ちゃん!!」



美里は嬉しさのあまり、怪我を忘れて飛び上がった。



「痛っ!」



亜弓は駆け寄り、よろけた美里に肩を貸した。



「先生、大丈夫?」



亜弓はきれいな花を摘もうとして崖から滑り落ちたが、幸い怪我はなかったらしい。



でも、泥だらけになったことが恥ずかしくて、水道を捜しているうちに本当に道に迷ってしまったと言う。



感動の再会も束の間、ゴロゴロッと天が呻いたかと思うと稲光が走り、間もなく向かいの山にバリバリッ、ガッシャーンと爆音が轟いた。



二人は悲鳴を上げて抱き合った。