「えー、今日一日、みんなに付き添ってくれることになった、真中先生です」
賢は照れ臭さを払拭させようと、わざと形式ばって美里を紹介した。
が、そんな賢の思惑は完全に葬り去られた。
朝からハイテンションな子供達は口々にはやし立てる。
「おーっ、彼女?彼女?賢ちゃんの彼女?」
「やるじゃ~ん。イケてんじゃ~ん」
少女雑誌から飛び出したようなポップな重ね着をした女の子が、Gジャンにカーゴパンツ姿の美里を一瞥した。
「え~、そうかな~。ダサくな~い?」
「色気なくな~い?」
「彼女!彼女!彼女!彼女!…」
終いには彼女コールが巻き起こった。