「キャッ!」
ふいに後ろから肩を叩かれ、美里は大声を上げた。
「はぁはぁ…あー、疲れた」
V字にざっくり開いた胸元にちりばめられたライトストーンが闇夜に浮かび上がる。
いかにも水商売風のケバいお姉さんだったが、取りあえずは女性だ。
美里はほっと胸を撫で下ろした。
「あんた、勇介の何なの?」
「えっ」
「あそこに出入りする女は皆、勇介がらみだからね。
それより、泣いてたみたいだから気になって追いかけたんだけど…
ああ、あたしは瑛子、佐山瑛子(サヤマ エイコ)。よろしくね」
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