「皆が幸せだ?笑わせんじゃねぇよ。
今日だって、悲劇のヒロイン気取りで俺に慰めてもらいにきたんだろ?
上等だよ。来いよ。抱いてやるよ」
勇介は美里の腕をつかみ、そのままベッドに押し倒した。
馬乗りになった勇介は美里を羽交い締めにし、セーターの襟ぐりを大きく開いて、その白い肌に唇を押しつけた。
パシッ。
勇介の力が緩んだ瞬間、美里はその頬を平手打ちしていた。
「どうして?!」
確かに慰めてもらいたかった。
好きだと言って、抱きしめて、キスもしてほしかった。
でも違う。
こんな風にヤケクソで抱かれるためにここまで来たんじゃない!
「どうしてそんなに悪ぶるのよ!
こんなことして後悔するのはあなたじゃない。
そうやって、あなたは、いつもいつも大事なものから逃げるのね」