まさとへ
ありがとう。
ほんとうにありがとう。
ぼくが、びょうきになってもかわらずまさとはいてくれた。
うれしかった。
ありがとう。
ゆいなちゃんへの手紙もあるの。
ぼくじゃあ、わたすことはできないからまさとがわたしてほしい。
あにからさいしょでさいごのおねがいです。
まさと、しあわせになってね。
ママとパパといっしょにすごしてほしい。
まさとのしあわせをこころからねがっているからね。
また、てんごくであおうね。




           真人より



その手紙と共に、桜の花びらが同封されていた。
だいぶ萎んで色褪せていたけれど真人が好きだった桜だと弟だからこそわかる。
そんな桜だった。
少しだけ、泣いた。
真人がくれた最後の手紙と唯菜宛を手にして唯菜の入院している病院へと足を運んだ。
俺の好きな人ー唯菜に、真人が好きだった唯菜に最後の手紙をー。