「それで、ヤシロさまの目的のお手伝いは無事にできたのでございますか?」
「うーん…それが、よく分からないんだよね。結局壮士センパイの目的がなんなのかも分からなかったし」
あれからも、高級店と呼ばれるようなお店に行って、ぶらぶらしたんだけど、ただそれだけで。
ふつうに街を歩いてたけど、壮士センパイがずっと隣にいたし、入ったお店も警備がしっかりしてたから安心ではあったかな。
「どうやら、一筋縄ではいかないようでございますね」
「うん…でもやっぱり、雇うなら壮士センパイがいいし。ねぇ、セージ。壮士センパイの部屋に行ってきてくれない?」
「その“目的”というものを探ってくればよいのですね」
「そう。お願いね」
「かしこまりました」
うなずいたセージは、窓枠に飛び乗る。
私は窓を開けて、飛び立つセージを見送った。
壮士センパイの秘密…これで分かるかな。