「壮士センパイ…あの、これって」




 どういう意図(いと)があって?




「…似合うな」




 微笑(ほほえ)まれて、ドキッとする。

 デートみたい…って、思っちゃうのはよくないかな。




「行くぞ」


「えっ、買うの?っていうかお会計は!?」


「着替えてる間に済ませた」




 そんな、買う服を確認してもないのに。

 戸惑いながら、壮士センパイについていくと、ブティックを出たところで手をつながれた。




「そ、壮士センパイ…こういうの、よくないんじゃないの?」


「どうして?」


「だって…彼女、いるじゃん」




 悪い男だっていうのは分かってるけど、こういうことばっかりされると諦めもつかなくなる。




「…誰とも付き合ってない」


「え?保健室の先生は?」


「言い寄られてるだけだ」