セージと話しながら、バッグの奥に押し込んでいた婦人用の着替えを引っぱり出して、学ランから着替える。
何重にも巻いたさらしを外して、下着をつけ直すと、解放感に包まれた。
護國学園に来てから、ずっと男装をキープしていたから、お風呂の時間以外で素の姿に戻るのは久しぶり。
ウィッグも外すと、ぱさりと髪が広がり落ちる。
今まですっぴんでいたわけだけど…女の姿で壮士センパイに会うとなると、ちょっとはメイクしたいかも。
変装に使えるかも、と思ってメイク道具も多少持ってきたし…少しくらい、いいよね?
「…お嬢さま、失礼ですがその目的のお手伝いというのは、なにをされるのですか?」
「分からない。女の格好で待っててって言われただけだから」
「左様でございますか…」