「ぜぇっ、ぜぇっ」




 も、もう無理…っ。




「あ、倒れた」


「おーい、日直~!仕事だぞー!」




 足はなまりみたいに重いし、肺は痛いし。

 気温は高くないのに、体操着は汗でびっしょり。

 砂の上で荒い呼吸を繰り返していると、「生きてるかー転校生」と雑に声をかけられ、ひょいと体を持ち上げられた。


 肩に(かつ)がれるなんて屈辱(くつじょく)的な運搬(うんぱん)方法にも、文句ひとつ言えない。




「体力つけろよ、転校生」


「はぁっ、はぁっ」




 水道の隣に降ろされるのも、いつもの流れ。

 私は水道に寄りかかって、ひたすら呼吸を落ち着けることに集中した。




 ――キーンコーンカーンコーン


「よし、片付け!」