「壮士センパイ!」


「…なんだ?」




 周りがひざに手をついて肩で息をしている男子ばっかりな中、壮士センパイは涼しい顔で私に近づいてくる。

 本当に優秀な人なんだなぁ…。




「壮士センパイの目的、手伝います」


「…瑠奈人(るなと)には手伝えない」


「どうしてですか?」


「“落ちこぼれ転校生”だからだ」




 目を伏せて、壮士センパイは昇降口に向かう。

 私はそのあとをついていって、諦めずに話しかけた。




「体力が必要なことなんですか?その目的って」


「…別に」


「じゃあ僕にも手伝えます。これでも大抵のことは人並みにできますから」


「…」




 歩きながら、横目にじっと見られて、壮士センパイの目を見つめ返した。

 しばらく見つめ合うと、壮士センパイはため息をついて前を向く。