「…瑠奈、母親のこと。可能性でしかないが、病気とも違うかもしれない」


「え…?」


「毒を少しずつ盛って弱らせても、あの状態になる」


「っ、お母さまに会ったの?」


「寝てる姿を見てきた」




 壮士センパイが本邸(ほんてい)に忍び込んで来たのにもおどろきだけど…。

 お母さまが寝込んでいる原因が病気じゃないかもしれない…?




「…それって」


「血を抜いてみないと、確定はしない。でも、偶然に頼って瑠奈を消そうとするなんて…四條家の当主にしては場当たりな計画じゃないか?」




 ぞっと、寒気に襲われた。

 お父さまが、お母さままで手にかけようと…?




「俺なら、治療の手配ができる。瑠奈が母親を()る医者を選べる立場になれば、助けてやれる」


「…壮士センパイって、何者なの?」


護國(もりくに)学園の学生だ」