腕の中の生き物を飼い慣らしたい。

 その目に俺しか映らないようにしたい。

 他の誰にも頼らせたくない。


 それを言葉にするなら、恐らく支配欲。

 どんな関係を望んでいるのかは分からないが、俺の本能は瑠奈を貪欲(どんよく)に求めている。




「瑠奈」




 名前を呼んで、こちらに向いた瞳を見つめながら、小さな唇を()む。

 おどろきに見開かれた目と、真っ赤になった顔に心が満たされた。




「裏切らないって、言っただろ。一線を引かなくていい」


「ずる、い…っ」




 あぁ、知っている。

 瑠奈はそのまま、俺に囚われていればいい。


 小さな、カワイイ存在を腕の中に閉じ込めて、俺は密かに笑った。