西條(にしじょう)瑠奈(るな)という答えが分かった上で調べれば、瑠奈が四條家の娘であることの確認はかんたんにとれた。




「不安なんだろう。実の父親に命を狙われて、信じていたものが崩れ去って」


「…」


「これだけは約束する。俺は瑠奈を裏切らない」




 俺は四條瑠奈と敵対したいわけじゃない。




「…っ、そんなこと言うなら、壮士(そうし)センパイが雇われてよっ…!」


「俺はボディーガードなんてやらない」


「ずるいっ…!」




 心の声がこぼれ落ちたような言い方を聞いて、少しだけ気の毒に思った。

 弱ったところにつけこむのは誰もが知る有用な手だが…多少はケアをしてやったほうがいいか。




「世界の全てが敵じゃない。信頼できるやつは他にもいる。今はたまたま、俺しか目に入らないだけで」