「私にも皆目(かいもく)見当がつきません。ですが、その件はヤシロさまが調査してくださるのでしょう?」


「うん…」


「気が進まないのであれば、ヤシロさまに進捗(しんちょく)を尋ねるのもよろしいかと」




 進捗か…確かに。

 それに、浜川さんを勧めてきたのは壮士センパイだし、本人の口から信頼できるのか聞いてみれば…。




「そうする。調べてくれてありがと、もういいよ」


「かしこまりました。行ってらっしゃいませ、お嬢さま」




 セージに見送られて、私は寮を出た。


 3年B組って、今どこで授業してるんだろ…。

 とりあえず教室に向かえばいいか。

 そう考えて、グラウンドで走っている男子たちを横目に校舎へ入ると、保健室のほうから歩いてくる壮士センパイを見つけた。