平気でうわさ話をする先輩たちを、教室の入り口からじーっと見つめる。

 壮士(そうし)センパイの(すす)め通り、浜川さんを雇うにも、まずは信頼できる人かどうか見極めなきゃいけない。

 今のところ、いい人そうな雰囲気ではあるけど…お父さまだって、人の()さそうな雰囲気だし、どんな裏があるか分からない。




 ――キーンコーンカーンコーン




 ん…もう休み時間終わりか。

 セージと落ち合う約束をしてたし、寮に戻ろう。


 教室に入っていく男子たちの流れに逆らって、私は階段を下りていく。




西條(にしじょう)、どこに行く気だ?」


「先生…授業は休みます!」


「サボっても体力はつかないぞ。まったく、バディをいいように使うとは、なげかわしい。八代(やしろ)もなぜ西條をバディに指名したのか…」