「お早いお戻りですね。早退されてきたのですか?」


「詳しくはあとで話す。とりあえず、3年A組の浜川って人のこと調べて来てくれる?」


「…かしこまりました」




 私は窓を開けて、青い空に飛び立っていったセージを見送ってから、体力回復のために、どさっとベッドに倒れた。


 キスされて好きになる、なんて…単純すぎるけど、仕方ないじゃん。

 私、これでも箱入りのお嬢さまだし。




「バカ…ほんと、許さないから」




 つぶやいて、私は枕を抱き寄せた。