心の奥までのぞきこむような瞳に、植え付けられた淡い恋心が見つかりやしないかと、ひやひやする。
さっきから体に響いてやまないドキドキだって、音になって外に飛び出していないか、気になって仕方がない。
「そもそも、売り物じゃないからっ…!」
「俺に身分を明かしたのは瑠奈だ。手を出されたくないなら、四條の名前は隠しておくべきだった」
私が四條瑠奈だからって、なんでキスするのよ…!
「話は終わりでいいな。瑠奈をバディに指名しておくから、好きに授業を休め」
「はっ?ちょ、ちょっと、バディってなに!?八代、さん!」
納得なんてできるわけないのに、話を切り上げて背中を向ける八代、さんのジャージをつかむと、彼は振り向いた。
「壮士でいい。…この学園の制度だ」