「セージはお母さまのところに行ってきて!転校の手続きをするためにはお母さまの協力が必要不可欠だから」




 ぐだぐだ言っているセージを振り返ると、灰色の羽に全身を包んだセージは、大きなクチバシをつぐんだ。

 私専属の執事として、おじいさまから(おく)られたセージは、ヨウムという種類のインコ。

 ただのインコがなんでこんなに流暢(りゅうちょう)にしゃべるのかなんて私も知らないけど、おじいさまが言葉を教え込んだからだと無理やり納得してる。


 流暢にしゃべりすぎて、人間と同じように人格があるんじゃ、とすら思えるけど、そんなこと周りに話してもバカにされるだけだし。

 人工知能と同じようなものだ、きっと。

 だからこそ、こんな状況でもセージは信用できるんだし。




「急いでね、私も屋敷を出る準備をしておくから」


「……(おお)せのままに。1時間で戻ります」


「うん」