鋭いつり目がじっと私を見つめる。
にらまれているような気がして身を硬くすると、八代さんは不意に目をそらした。
「姫…いや、転校生、だな」
「はい？」
「“お前”って言って、悪かった」
「…いえ」
なんか、変なところを気にする人だなぁ…。
緊張がほぐれて、私は緩く首を振った。
「もし僕の正体がバレても、八代さんがそれを知っていたことは話しません。…そんなことしたって、意味がないから」
「それなら、俺には関係ない」
「…」
自分に被害が及ばないなら、周りでなにが起きていても気にしない？
…もう少し、聞いてみよう。
「僕の命を狙っている人の名前、聞きましたよね。僕と再会したとき、その人に密告しようとは思わなかったんですか」
「…なぜ？」
