「あ、あのっ、先生に言われるのは困るんですっ、八代さんも知ってると思いますけどっ、僕は…!」


「人が来るぞ」




 忠告されて口を閉ざすと、確かに足音が聞こえた。

 1人なのか、話し声は聞こえない。

 その足音とすれ違ったあとも、周りに聞かれるのを警戒して口を閉ざしていると、からからと扉を開ける音がして、床に下ろされた。


 イスが机の上に乗ったまま、隅っこに並べられてる…空き教室かな。

 私の前に立っている八代さんは、私を見下ろしたまま立ち去る気配がない。

 話を聞く気があるってこと…かな。