自分の教室へ戻ってきた私を取り囲むみんなは、隠すことなく八代さんへの興味を口にする。

 私のことは“ひ弱なお姫さま”だとバカにしつつ、八代さんのことを聞き出そうと必死な様子だ。

 みんな口をそろえてすごい人だと言うから、大層な人間だと思うけど。


 ――護國(もりくに)学園出身のボディーガードはとても優秀だと聞いたことがありますわ。

 ――それに、今学園で一番優秀な生徒は、美術品のごとくお顔が整っているのだとか!

 ――まぁ!そんな殿方に24時間守られる…夢のようですわね。


 思い返してみれば、前のクラスメイトもうわさしていた。




「あ~、八代先輩のバディになりて~」


「俺だって」


「バディ?」