「ははは、お似合いじゃないか。学園一ひ弱なお前には」
言い返すすべがなくて、私は口を閉ざしながら会釈をし、3年B組の教室を後にした。
時間が経つにつれて焦ったけど、お姫さま抱っこの件をからかわれる以外で、私の周りに変化はなく。
どうやらあの人は今に至るまで、私の秘密を口外していないらしい。
それはこれからも、かもしれないけど…その真意を聞くまでは、いっそ不気味で信用できない。
「お姫さま、今日も八代先輩の教室に行って来たのか?いいよな~、ひ弱すぎて逆に接点できたやつは」
「お姫さまって言うのやめて」
「俺らだって話してみてぇよ。入学したときから成績トップの偉人だぜ!?卒業前から引く手あまただってうわさだもんな~!」
「女子にもモテるんだってよ。あの顔じゃ納得だけどな」