「あぁ。彼はね、八代壮士くん。3年B組で、学校一優秀な生徒なのよ。座学でも、実技でもトップ。凄いでしょ?」


「へぇ…」




 あのときの様子は、ボディーガードって言うより、殺し屋って言われたほうがしっくりくる勢いだったけど。

 学校一なんて、結構な発言力と信頼がありそうな人に秘密を握られてるなんて…。

 体力が回復したらすぐにでも口止めに行かないと!




西條(にしじょう)くんはしっかり休んで、体力を回復させてから授業に戻ってね」


「はい」




 八代さんには“休んでもいい”なんて言ってたのに。

 ちょっと呆れつつ、今は授業よりも口止め優先、と体をベッドにあずけてひたすら体力を回復させることに集中した。


 そのかいあって、次の休み時間には起き上がれたのだけど、3年の教室に向かう途中、先生につかまってしまって…。

 授業に強制出席させられたせいで、またバテて、そのまま1日が終わってしまった。