壮士くんは私の期待通り、指輪を薬指に通してくれた。

 パープルダイヤモンドが輝く左手が、そのまま壮士くんの口元へ運ばれて…ちゅっと、口づけを落とされる。




「愛してる、瑠奈」




 指輪越しに、壮士くんと見つめ合って、気づいた。

 紫色は、壮士くんの色だから…私、こんなに惹かれてたんだ。




「っ…私もっ」




 にっこり笑って、私は壮士くんの手を握った。

 私専属の執事の、温かい視線が私たちを包み込む。


 日常が一変したあの日、壮士くんと出会えたことに、私は心の底から感謝した。