本当に、壮士くんが私を想う気持ちは強いみたい。
私が思ってるよりも、ずっと、ずっと。
「うん、いいよ…」
壮士くんだけに聞こえるように答えると、壮士くんは私の耳にキスをした。
「上田…だな。そいつをうちの屋敷へ連れて行け」
「は、はいっ」
壮士くんは私を抱きしめたまま、金髪の男に話しかける。
「それから…“四條の一人娘は俺の嫁になる。心を入れ替えるまで解放するな”と、うちの人間に伝えろ」
「承知しましたっ!」
静かだと思ったら、お父さまはいつのまにか気絶させられたらしい。
金髪の男が雑に担いで、お父さまを運んでいく様子を、壮士くんの肩越しに見守った。
「壮士くんって…何者?」