宝物に触れるような、優しい手つきで私の髪をなでて。

 壮士センパイが、目を細めながら私を見つめる。




「瑠奈が俺の嫁になるなら、一生、そばで守り続ける」


「っ…よ、め?」




 告白を上回る言葉に、心臓がばくばくと騒ぐ。

 彼女になれたら、なんて私の淡い夢が一瞬で吹き飛んだ。




「わ、私、16歳なんだけど」


「あぁ、だから、2年後」


「そ、そんなに早く結婚するつもりないしっ!」


「俺は、瑠奈を1秒たりとも野放しにする気はない」




 独占欲が強い発言に、心臓が跳ねた。




「わ、私が壮士センパイのお嫁さんになったら…どうなるの?」


「瑠奈が望むことを全部かなえる。四條を継ぐなら支援するし、四條を出るなら俺の家に招く」


「私が、四條じゃなくなってもいいの?」