「セージ…が、呼んだの?」


「はい。現在、一番お嬢さまを助けてくださる可能性が高いお方にお願いいたしました」




 壮士センパイは、セージをちらりと見て、私を無言で見つめる。

 この場をどうするか、決めるのは私だ、って言われてるみたい。




「お父さまは…殺さないで」


「…分かった」




 壮士センパイは目を伏せて、いつものように淡々とした声で答えた。


 例え、私を殺そうとした人でも…私には、人殺しの罪は重すぎて背負えない。

 だから、お父さまは生かしたままでいい。

 問題は…壮士センパイと、どうやって接したらいいかっていうこと。