「おや…悪い子だな、瑠奈は」


「あんたっ…俺を消す気か!?」


「使えない男だ。まだ瑠奈を殺していないとは」


「お父さまこそ、見境がないんじゃない?秘密を聞いたからって、この人を殺そうとするなん…て…」




 信じられないものを目にして、私はぽかんと口を開ける。




「うん?」




 首をかしげたお父さまの横から、灰色の羽に全身を包んだインコが私のほうへまっすぐに飛んできた。




「セージ…?ぐっ!」




 セージに気を取られたお父さまは、頭を横から扉の木枠に打ちつけられてやっと、自分のうしろに人が立っていたことに気づいたらしい。




「ご無事ですか、お嬢さま。あぁ、よくぞ耐えてくださいました」


「夜城…さま…っ」