お父さまの(たくら)みが明らかにならないように、監視されて、お父さまの都合がいいように生きるなんて…そんなの。




「死んだように生かされるくらいならっ…!」




 前者を選ぶ、と言ってやりたかったのに、怖くて言葉に詰まった。

 でも、幸か不幸かお父さまには言いたいことが伝わったみたいで。




「そうか。なら、瑠奈(るな)の意思を尊重してあげるよ」


「っ…」




 体の芯が冷えて、手が震える。

 お父さまは立ち上がって、金髪の男を振り返った。




「きみ、手早くお願いするよ。私はキッチンに行って水を飲んでくるから」


「…はい」




 コツコツと足音を響かせて、お父さまは部屋を出て行く。

 それと入れ替わるように、金髪の男が近づいてきた。