苦笑いするお父さまを見て、一瞬でも、壮士センパイの情報が間違っていたのかも、と思った私は甘かったみたい。
「その人も始末しないといけないのにね」
「っ…本当、なの」
「そうだよ。もう1人の娘のほうが、私の言うことをよく聞くんだ。瑠奈はお母さんのほうに懐いているだろう?」
ガンッと、殴られたような気分だ。
お父さまは、にこりと笑って指を2本立てる。
「瑠奈、私の目的が分かっているなら、2つの選択肢をあげよう。1つは、このままおじいさんのところへ行くか」
「…」
「もう1つは、私が用意した家で、生涯誰とも会わず、外に出ず、慎ましい一生を送るか」
本当のことが知られないように、監禁しようって言うの…?
「可愛い娘に、選ばせてあげよう。さぁ、どちらにする?」
このまま殺されるか、監禁されて一生を送るか。
私はお父さまをにらんだ。