次に気がついたとき、私は床に寝転がっていた。




「ん…」




 どこ、ここ…?

 目を開けると、どこか見覚えのある壁や家具が見える。

 起き上がろうとすれば、手足が縛られていることに気づいた。




「セージ…?」




 小声で呼びかけて、執事の存在を確認する。

 耳を澄ませても、辺りに視線を走らせても、セージは見つけられなかった。

 あのまま、公園に置き去りにされた…?


 それとも、私と一緒に連れてこられたけど、先に始末された…とか?

 自分の想像に寒気がして、必死に辺りを見る。

 そして、ようやく既視感の正体に気づいた。


 ここ、私が住んでた屋敷だ…!

 …でも、不思議なことに、人の気配はまったくない。




「本当に見つけたんだろうね?」


「出没する可能性があると聞いていた場所に、灰色のインコと一緒にいましたし、名前を言ったら逃げたので本人である可能性は高いかと」