「お嬢さまから見た夜城(やしろ)壮士(そうし)さまは、どのような方でございますか」


「壮士センパイ…は」




 ともすれば、人を寄せ付けない雰囲気とも言える、無表情の壮士センパイを思い浮かべる。



「…悪い男。乙女をもてあそぶ」


「それは、始末が悪うございますね」


「うん。でも…すごく優しい人。優しいから、ずるくて…」




 どんどん好きになる。

 きっかけは、突然キスされて、強制的に意識させられたから、だけど。

 心のよゆうがあるときに出会っていれば、自然と好きになっていたんだろうな、って思うくらいには、性格も好き。


 だって、あんなにかっこいい人、好きにならずにいられるわけないもん。誰だって。




「あの…」




 男の人の声がして、はっ、と顔を上げた。

 金髪の、若い男の人が目の前に立っている。

 さっき、私の前を通っていった人だ。