言葉に詰まって、ご飯を食べる。

 もぐもぐしている間に、こっちへ来た人が私の前を通っていった。

 小声でしゃべれば聞こえないくらい、その人が離れたのを見てから口を開く。




「好きでいたって、報われないでしょ」




 否定の意味を込めたつもりだった。

 でも、セージは私の本心を見抜いたように「そうでございますか」と静かに答える。


 正体を知っても、好きな気持ちが消えない。

 それくらい、私は壮士センパイに落とされてるんだ。