体育会系のノリについていけるわけない!


 なんてことを考えてたら、じゃり、と横で足音がした。




「保健室、連れてってやろうか?」




 誰かが私の横でしゃがんだ気配がする。

 淡々とした響きの低い声に顔を上げると、私の隣には呼吸の仕方を忘れるほどきれいな顔があった。

 ぶどう色のツイストショートヘアは、アップバングスタイルで前髪がかきあげられていて。


 筆で書いたような濃い眉毛の下に、ぞくりとするほど鋭い眼光のつり目が均等(きんとう)に並んでいる。

 澄み渡る青い空の色がかすむほど、そこにいるのは強い存在感を持ったイケメンだった。




「え…」


「…ん?」




 そのつり目がしばたたかれて、私の顔をのぞきこむように、じぃ、と見つめてくる。

 私は慌てて顔を(そむ)けた。

 …でも。