「そーしっ…!?」




 びっくりしすぎて、いつものように“センパイ”まで言えなかった。

 でも、本人を目にしたおかげで思い出す。

 私、昨日壮士(そうし)センパイの部屋に忍び込もうとして、正面から迎えられたあげく、もてあそばれて一緒に寝たんだった。


 散々いじられた箇所を思わず押さえて、かぁっと赤面する。

 壮士センパイって、本当にヘンタイっ…!




 ――カッカッ


「あ…」




 窓をたたく音で我に返って、壮士センパイの腕をどかしながら起き上がる。

 ベッドから下りて窓を開けると、セージはすぐ、差し出した私の指に止まった。




「お嬢さま、危険人物と一緒にご就寝(しゅうしん)されるとは何事ですか」


「ご、ごめんって。すぐ見つかっちゃって、先に寝てもらおうと思ったら、つい一緒に…」