――カッカッ

 ――カッカッ


「ん…」




 変な音が聞こえる…。

 うるさいなぁ、と思いながらまぶたを持ち上げると、自室のようで、雰囲気が違う寮の部屋が目に入った。


 あれ、ここどこ…?




「セージ…?」


 ――カッカッ




 とりあえず執事の名前を呼ぶと、窓の方から変な音がした。

 ベッドに横になったまま視線を向ければ、窓の向こうにセージがいる。

 その後ろには青い空が広がっているから、どうやら朝みたい。


 セージを入れてあげよう、と思って体を起こすと、お腹になにかが巻きついていてバランスを崩した。




「わっ…なに…?」




 お腹を見ると、巻きついているのはどうやら人の腕のようで。

 ぎょっとしてうしろを振り返ると、整いすぎた寝顔がそこにあった。