「…柔らかいな」


「…?」




 なんのこと?と思ってから、気づいてしまった。

 壮士センパイの胸に乗っかって、潰されているあれに。




「~~っ、ヘンタイっ!!」


「手では触ってない」


「そんなの論外だしっ、バカっ、離してっ!」




 暴れようとすると、ぎゅっと抱きしめられて、耳を甘噛みされた。




「ひゃっ」


「ふ…カワイイ声、出すな」


「~~っ、は、離してっ…!」


「断る」




 壮士センパイは私ののどをこれまた甘噛みして、なめてくる。




「やっ、め…」


「もっと」




 聞かせろ、と甘くささやく声に震えて、ぎゅっと目をつむった。

 終始そんな調子だから、なかなか眠れない夜になって。

 涙目になったら優しく寝かしつけられ…私は当初の目的を忘れて、壮士センパイの腕の中で熟睡したのだった。