一人ずつ、改札口に切符を吸い込ませて外へと出ていく。
「あれ」
「わ、なにっ……」
みんなを先導して歩いていたのに改札前で私の後ろに回っていた翠がちょっと私の背中にぶつかって言った。
「切符……無くしちゃったかも」
「もー」
呆れたように片方の口角だけをキュッと上げた翠が指先でつまんでいる切符の重なりを、トランプみたいに指でピッと二枚に分けてニッと笑う。
「すなおは落とし物常習犯だからな。預かっとくって言っただろ」
「……そうだった。でもそれなら私の前に居なさいよ!」
「あー、そうだよな?ごめんごめん」
全然、申し訳なくなさそうに笑いながら翠は二人分の乗車切符を改札に吸い込ませた。
慌ててその背中にくっついて改札を通り抜けた私の腕を、女子二人が両方からがっしりと掴んだ。
「えっ……えっ、なんっ……」
「付き合ってんの?」
「はい……?」
「翠くんと付き合ってるの?」
これってもしかして恋バナ!?
高校生になってからは初めてだ!
なんて浮かれてる場合じゃない。
答えによっては、私は今日ここで死ぬかもしれないんだから。
「あれ」
「わ、なにっ……」
みんなを先導して歩いていたのに改札前で私の後ろに回っていた翠がちょっと私の背中にぶつかって言った。
「切符……無くしちゃったかも」
「もー」
呆れたように片方の口角だけをキュッと上げた翠が指先でつまんでいる切符の重なりを、トランプみたいに指でピッと二枚に分けてニッと笑う。
「すなおは落とし物常習犯だからな。預かっとくって言っただろ」
「……そうだった。でもそれなら私の前に居なさいよ!」
「あー、そうだよな?ごめんごめん」
全然、申し訳なくなさそうに笑いながら翠は二人分の乗車切符を改札に吸い込ませた。
慌ててその背中にくっついて改札を通り抜けた私の腕を、女子二人が両方からがっしりと掴んだ。
「えっ……えっ、なんっ……」
「付き合ってんの?」
「はい……?」
「翠くんと付き合ってるの?」
これってもしかして恋バナ!?
高校生になってからは初めてだ!
なんて浮かれてる場合じゃない。
答えによっては、私は今日ここで死ぬかもしれないんだから。