「よーし!一発目はやっぱアレだろ!」

男子達が指差したのは当然、ともいうべきだろうか。
パークで一番の目玉アトラクションにあたる絶叫マシンだった。

テレビのコマーシャルでも何度も見たことがある。
国内最大級を誇る絶叫マシン。

当時からそうだったわけじゃないけれど間宮グループがパークを買収してから現段階のレベルまで改修されたらしい。

「えー、もっと可愛いのに乗ろうよぉー」

グミちゃんがメリーゴーランドとかコーヒーカップとかを指差しながら言った。
男子達はスリルがない!ってブーブー言っている。

そんな三人の間に立って、やっぱり巫女ちゃんが仲介役に回った。

「どっちもどっちかのアトラクションが絶対に無理ってわけじゃないのなら全部楽しめばいいじゃん!どっちかだけがいいって決めつけて体験しないのはもったいないしバカだよ」

うーん……って唸って、男子達もグミちゃんもおんなじタイミングで折れた。

「じゃあさ、翠くんはどっちがいい?」

「えぇっ俺!?」

「意見を出し合った双方が言い争ってるなら第三者の意見が必要でしょ!?裁判員制度と同じだよ!」

よく分からないグミちゃんの言い分をなんとか汲み取って、翠は一発目は絶叫マシンに乗ろうと提案した。

「え、なんでー?」

「先に緩いのに乗っちゃったら後から激しい系のほうがしんどくない?」

「まぁ……確かに」

まだ若干膨れながらもグミちゃんは納得した。