「あ、えーっと、昨日たまたまね。夜に顔を合わせることがあって。それでせっかくお知り合いになれたんだからそう呼び合おうって」
「へぇー?すなおちゃん、珍しく積極的じゃん!」
ニッて笑ったグミちゃんを翠は頭を掻きながら見ている。
目が、笑っていない気がするけれど理由は分からない。
昨日会ったばかりなのに尊敬するお兄さんを呼び捨てにされたこと、不愉快だったかな……。
「父がせっかくだからって時間をくれたんだ。だから今日は仲間に入れてもらってもいいですか?」
「もちろんです!むしろこちらこそお願いします!」
グミちゃんが言って、藍は笑った。
「じゃーお言葉に甘えて!早速出発しよ!」
巫女ちゃんが言って、みんながバスに乗り込んだ。
ここに来る時と違って隣には翠が座っている。
二列飛んで、一番後ろのシートに他のみんなが並んで座った。
ここに来るまでは翠の隣を陣取ろうもんなら地獄へと化すと思っていた。
でもそれは盛大な勘違いだって今なら分かる。
グミちゃんも巫女ちゃんもそんなくだらない嫉妬をするような子達じゃない。
きっとクラスの、他の誰かも。
弱くて被害妄想が得意で、それってちょっぴり、きっと己の自惚れだって含まれてる。
今回の旅行で少しでも自分が変われていればいいんだけど。
今はまだ、また日常に戻ってしまうことへの寂しさだけが大きかった。
「へぇー?すなおちゃん、珍しく積極的じゃん!」
ニッて笑ったグミちゃんを翠は頭を掻きながら見ている。
目が、笑っていない気がするけれど理由は分からない。
昨日会ったばかりなのに尊敬するお兄さんを呼び捨てにされたこと、不愉快だったかな……。
「父がせっかくだからって時間をくれたんだ。だから今日は仲間に入れてもらってもいいですか?」
「もちろんです!むしろこちらこそお願いします!」
グミちゃんが言って、藍は笑った。
「じゃーお言葉に甘えて!早速出発しよ!」
巫女ちゃんが言って、みんながバスに乗り込んだ。
ここに来る時と違って隣には翠が座っている。
二列飛んで、一番後ろのシートに他のみんなが並んで座った。
ここに来るまでは翠の隣を陣取ろうもんなら地獄へと化すと思っていた。
でもそれは盛大な勘違いだって今なら分かる。
グミちゃんも巫女ちゃんもそんなくだらない嫉妬をするような子達じゃない。
きっとクラスの、他の誰かも。
弱くて被害妄想が得意で、それってちょっぴり、きっと己の自惚れだって含まれてる。
今回の旅行で少しでも自分が変われていればいいんだけど。
今はまだ、また日常に戻ってしまうことへの寂しさだけが大きかった。