一目惚れだってはっきりと確信した。

翠と同じ顔。
背丈。
声。

一般的には本当にそうなのに、目の前に藍が現れた瞬間から私の目も脳みそも、心臓も藍の虜になった。

ビジュアルにおいて、翠とは違うパーツを探せと言われたら困難かもしれない。
さすがは双子。恐らく一卵性だろう。

でも私は二人がまったく同じ格好をして少し離れたところに居ても、きみが翠で、あなたが藍だと瞬時に言い当てることができる。
出逢って一日にも満たないそんな時間で、なぜか怖いくらいに自信があった。

双子なのに、藍は唯一無二だった。

恋も愛もきっと脳の病気なんだ。
だからこれも出逢ってしまった私が可哀想なだけ。

だって恋も愛も、きっと苦味のほうが強いから。

それでも藍に一瞬で毒されてしまった病気を治癒なんてさせたくない。

もっと知りたい。
もっと知って欲しい。
全部。細胞まで。全部。

そんなバカなことを、バカみたいに思ってしまった。