「ね、一回ホテル戻ってちょっと休んでからさ、ショッピング行こうよ」

巫女ちゃんが言って、「さんせーい!」ってグミちゃんがぴょんぴょん跳ねた。

みんなちゃんと日焼け止めを塗ったのにやっぱり海に入ると意味なんかなくて、
もう首や背中、腕も足も赤くなっている。

「シャワー痛そう…」なんて言い合って、
グミちゃんは「日焼けさいあくだー」ってメソメソした。

それからも、一度ホテルの部屋に戻って、海で疲れた体を休めて仮眠したりと、二時間くらいはそれぞれの時間を過ごしたけれど、
ショッピングも、ホテルが(というよりはきっと翠のお父様だろう)用意してくれたディナーもみんなで楽しんだ。

今日一日だけで、溶かしていた高一の一学期を全部取り戻したみたいな日だった。

ディナーが終わる頃には二十一時を回っていて、友達とこんな時間までプライベートで過ごしたのは初めてだった。

誰よりもハイテンションでハシャいでいたグミちゃんも、さすがに今日一日中遊び回った疲れで、見るからにウトウトしている。
グミちゃんの背中を優しくさすりながら、
「そろそろお開きにしよっか」って巫女ちゃんが言った。