「そう……かも……?」

「じゃあクリアじゃんっ」

「クリア?」

「うんっ。だってうちらのことはもう平気でしょ?ねっ!?」

グミちゃんが爛々とした瞳で巫女ちゃんに投げかける。
巫女ちゃんもなぜか満足そうにうんうん頷いている。

いやいやいや。
まだ特急列車に乗って地元からここまでやって来ただけだし
トータルしてもまだ二時間とかそれくらいの仲だ。

慣れてなんか絶対にないっ!

それでも否定できないのはどうしてだろう。

″もっと知りたい″

そんな気持ちが疼いている気がした。

「うん」って小さく言った声が、一人の男子の声で掻き消された。

「おーいっ!お前らなにやってんだよ!」

「ごめーん」

グミちゃんの高い声はよく通る。

「チェックインして早く遊びいこ!」

翠が無邪気そのものの笑顔で手を振っている。

逆光で眩しかった。