「あーぁ・・・幹部も入れ替えかなぁ?」
「こ、困るっ・・・骨折者は・・・その、13人・・・だ」
多いじゃん、やり過ぎだよ。
総長、とか。
報告、とか。
幹部、とか。
これでなにか勘付いた人もいるんじゃない?
「あー、空、また勝手に株上げたね」
ぶー、と雨が頬を膨らませ、苺が「株って・・・」と苦笑いしていた。
生徒会室は・・・簡単に言えば、暴走族幹部メンバーの巣窟だ。
私はシュラナ学園で唯一存在する暴走族チュリの女総長。
で、生徒会メンバーはさっきも言った通り、幹部だ。
会長の(すかい)は副総長。
副会長の(れいん)は幹部。
書記の(ぴいち)も幹部。
会計の(べりい)も幹部。
「あ、そうだ。ねぇ(むうん)、生徒会入らなきゃだよね?役職どーするの?」
「会長秘書、が一番納得させるだろう」
「不本意だけど空に賛成かな」
苺、不本意だけど賛成すること多いね?
まぁなに考えてるか分からないから深入りはしないけど、怖いから。
腹の中真っ黒な人にはね、近づかないほうがいいんだよ?
って言ったら苺がショック受けて倒れちゃうから言わない・・・ウン、言わないほうがいいはず。
「じゃあ月、会長秘書としてよろしく頼む」
空に丁寧に頭を下げられ、私はヒラヒラと軽く手を振った。
「そんな丁寧にいいから。下の子たちと会いたいんだけど・・・」
「・・・月と会ったら興奮して失神する。会わないほうがいい。・・・俺とラブラブしよ?」
実に心臓に悪い甘え顔で上目遣いに見つめてくる桃から私は目をそらした。
「・・・どこにいる?」
さぁ雨!
キミだけが頼りだ!
株を上げる最大のチャンスだよ!
教えてくれたら雨をチュリで総長の評価最大にしてあげるよ!!
「・・・えっとねぇ・・・」
私の考えを見抜いたのか、雨はあははと笑った。
「体育委員室だよ~この時間ならみんな集まってるはず」
「雨、ありがとう!雨のコト一番信頼してるよ!!」
「わ~い、僕一番~桃かわいそ~あはは~」
笑顔で桃を煽った雨。
・・・放っておこう、面倒なコトに巻き込まれたい人はいないはず。
それかこのイケメンたちの逆ハーになら巻き込まれてもいいかって思う人いる?!手挙げて!!
それでちょっと私と変わって!
「雨・・・バカ。月の一番は俺・・・バカ・・・さっきのはお礼の一環・・・バカ・・・」
おうおう、さり気なく『バカ』と3回も入れましたねぇ・・・。
「・・・空、苺、行ってくるから。私が帰ってくるまでに喧嘩は収集させておくコト」
残りの2人に総長命令して私は体育委員室に向かった。
廊下にある地図を見て、交差点のように分かれている廊下を東に行く。
ここか・・・比べちゃだめだとはわかってるけど、生徒会室と比べると小さい教室だな・・・。
っていうか普通の教室?
空き教室を委員会の部屋にした、ってトコかな。