「……」

ん?聞こえなかったのかな。


「あ、……美しい歌声だな…と……」


「聞こえてる」


聞こえてたのかよ!!



じー……


な、なんでこんなに見てくるの!?


視線がそろそろ痛くなり目を逸らす。



「おい、お前。」

「あ、はい」

「このこと、絶対に誰にも言うなよ。
まあ、もう会うことはないだろうけど」

「え?このこと?」


やっと喋ったかと思ったら口止めですか??



「歌ってたことだよ。俺がここで」

「え、なんで…」

こんなに上手な歌なのにどうしてみんなに聞かせたくないんだろう…


「…お前に関係ねぇだろ」


思わず聞き返したらまた睨まれてしまった。


「あ、すっすみません…」


大人しく謝る。