「しっかりしてるってことなんじゃない?頼りになっていいな」



誰に対しても優しくて、実力もあって、高城さんは完璧なヒロインだった。



「…あの、高城さ…」



“高城さんは、絢斗のことが好き?”


思わず、そんなわかりきったことを聞いてしまいそうになった。


その答えを聞いてしまったら、私はもう諦めるしかなくなるのに。



だから、高城さんと絢斗がすれ違っている時、チャンスだと思った。


なのに…。



「絢斗、屋上にいたけど。会いに行かなくていいの?」



どうして私はそんなことを言ってしまったんだろう。