絢斗とは物心がついた頃からずっと一緒にいた。


人見知りで友達を作ることが苦手だった私の隣にいつだっていてくれて、手を引っ張ってくれる。


絢斗はそんなヒーローみたいな男の子だった。



「間宮さん、ぜひ生徒会長やってくれないかな…?学年主席のあなたなら、誰も文句はないから…!」



担任の先生に入学初日からそんなことを言われた理由を私は知っていた。


この学校の生徒会長は、仕事量が多いゆえに辞退したりやりたがらない人ばかりでここ一年は空席だったとのこと。


その空席に、上の代はもうダメだと思ったのか私に声がかかってきたと言うわけだ。



「…別にいいですけど」


「本当!?ありがとう、間宮さんはこの学校の誇りだわ」



断れない性格っていうのもあったし、人から期待されることは昔から好きだった。