「…だけどね、愛菜の叔母としてだったら、愛菜の好きにしていいよって言うかな。私は愛菜が大好きだから。愛菜が決めたことは全部応援する」


「カナ…ちゃん」


「さ、舞台挨拶の時間だよ。愛菜の夏を詰め込んだ、思い出深い映画でしょ?」



涙がこぼれそうになるのをグッと堪えて、笑顔で頷く。



私の初主演作である今回の映画のタイトルは「忘れられない、あの夏の恋」。


まさに、忘れられない恋をした私の映画となった。私は今も、梶くんを好きでいる。





「じゃあ次に高城さん。今回の映画について、何か思い出に残っていることはありますか?」


「はい。私は今回、元気いっぱいの花梨役を演じさせていただき、速水さんとも初共演だったのですが撮影がとっても楽しくて。夏休み中の高校を借りて、実際に通っている生徒さん方にもエキストラとして出演していただいたり、撮影で使ったプール掃除を一緒にしたり屋上で花火をしたりとまるで自分が本当にこの高校に通っているような…そんな錯覚をしてしまうこともありました。私の夏が全て詰め込まれている、そんな思い出深い作品となりました」



時間にしてみればたったの二ヶ月近く。