「ふ…っ、うあああ…っ」



梶くんに恋した夏は本当に一瞬だった。


打ち上げ花火のような派手で華やかな恋なんかじゃなくて、線香花火のような日常に溢れている小さな儚い恋の一つだったけど、それでも私はたしかに梶くんに恋をしていた。



あの夏、私の初恋は静かに落ちて消えてしまった。